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本家「東方神起~Red Ocean of eternity~

第1章 5

このお話はフィクションです。
5人時代も好きですが、批判的に取られる可能性もあります。
それでも読んでいただける方のみ、下記へお進みください。







SIDE:CHANGMIN


ソファに並んで座って、僕たちはやっと一息ついていた。

3人のヒョンたちが帰ったあと、ユノヒョンは自分の手のひらをじっと眺めている。

「…痛い」

そりゃ痛いだろ。
テーブルを叩いた時の音からすると、手加減なんかしてなかったはずだし。

「自分のバカ力も考えないで思いっきり叩くからでしょ」

僕は自分の鞄から大きめの湿布とハサミを取り出し、ユノヒョンの手のひらにペタンと貼ってから、指の股に合わせて切り込みを入れた。

「モソモソする」
「手のひら用の湿布なんてないですって」

こんなとこに湿布を貼る人なんて初めて見た。

ユノヒョンは滅多に怒らない。
特に自分自身のことでは、見てるこっちがイライラするくらい我慢をする。

けれど時々怒ることがあって、それは大抵自分以外のことが理由だった。

誰かを思って怒り、それは普段穏やかなユノヒョンからは想像できないほどおっかない。

さっきの話の流れでは、珍しくユノヒョンが自分に対しての言葉に腹を立てたように思えた。

だからこそ僕は、そうじゃないと思った。

「はい。気休めだけどしないよりマシでしょ」
「うん」

ユノヒョンはしばらく手のひらを閉じたり開いたりしたあと、顔を上げて僕を見た。

「ねぇここ。もーちょっと切って」

右の中指と人差し指の股を指差して言う。

「はいはい」

ユノヒョンは僕といる時、こんなふうに甘えることがよくある。
他のヒョンたちに対してはどんな時もしっかりリーダーなのに、なぜだか僕に対してはお母さんといる時の子供のようになるんだ。

「これでいいです?」

僕が尋ねると、ユノヒョンはまた手をニギニギして、納得したんだろう、嬉しそうにニカッと笑って僕に手のひらを見せた。

………。

あるはずのない母性本能をくすぐられる。

ユノヒョンがこうやって甘えるのは、多分僕が世話好きなせいだろうとは思う。

いやいや、世話好きじゃない。
ただ見ていられなくて世話を焼くハメになるだけだ。

だけど他のヒョンたちだってユノヒョンの世話を焼くこともあるのに。
なのに甘えるのは僕だけになんだ。

それが嬉しい僕も僕だけど。

ま、いっか。

「ねぇユノヒョン。何を隠してるんてす?」

何気ないフリで、脈絡もなくそう聞いたら。

「は?」

ユノヒョンは目をまん丸にしてビックリした。

「僕に隠し事してるでしょ?」
「え?なんで?し、してないよっ?」

…分かり易すぎる。

「ユノヒョンが嘘つくってことは、それが僕のためだからでしょ?普段は相手のためでも嘘つかないんだから、よっぽどってことですよね?」

僕の言葉に、ユノヒョンはさらに驚いた顔で一歩後退りした。

「凄いなチャンミン!もしかして超能力とかできるのか?!」
「そんなわけないし」

その発想はどこからくるんだ?
しかも本人、大真面目だ。

認めてるってこと、わかってるのかな?

だって、ユノヒョンがあんなに怒ったんだから。
そこには必ず何かがある、と思うのは当然だ。

僕を見くびってもらっちゃ困る。

「明日のステージで、僕が笑えなかったらって心配してるんでしょ?だったら大丈夫。明日は笑います。絶対」
「でも明後日はわからないだろ?」
「どーせすぐ大騒ぎになるようなことなんだろうし、僕にだってすぐにわかりますって。だから明日さえ乗り切れればいいんじゃないですか?」
「うーん」

唇を尖らせて悩んでる顔。
あと一押しだな。
頭脳戦なら僕の勝ちだ。

「もし僕がユノヒョン以外からその話を聞いて、それが間違いだったらどうします?」
「それは困る」
「でしょ?」
「うん」

納得したらしい。

こういう素直なところが好きだな、と思う。
大人特有の計算高さとか、疑う気持ちがまるでない。

それは裏を返せば、自己防衛本能が低いってことなんだろう。

危なっかしい。
でも、そのままでいて欲しいと願ってしまう。

だって今僕が信じられるのは、この人だけだから。

「あのな、チャンミン」

それからユノヒョンは、なんでもないことのように普通のトーンで話し始めた。

「さっき事務所から連絡あったらしくて、マネヒョンといろいろ話したんだけどさ」

並んで座った肩先が触れ、前を向いたまま話すユノヒョンの手が僕の指先を握った。

触れたとこ全部からユノヒョンの不安が伝わってくるようで、僕は無意識にユノヒョンの手を強く握り返した。



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