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本家「東方神起~Red Ocean of eternity~

俺と僕の距離 3

ここでのお話はアタシの作ったフィクションです。
実際のエピソードをヒントにしたものもありますが
あくまでアタシの中にいるユノとチャンミンのお話です。








SIDE:CHANGMIN



今日の飲み会の面子は、キュヒョンと後輩。
といってもキュヒョンの同郷の練習生らしくて僕は初対面だけど。
収録が終わってからその3人で、僕が決めた居酒屋の個室に集まった。

「こんないい店、よく知ってたな」

感心したようにキュヒョンが言う。
実は僕もこんなおしゃれな店だとは知らなかった。

なんたってネットで探して予約しただけで、実際に店に来るのは初めてなんだ。

正直言っておしゃれかどうかより、場所が僕には重要だったから。

ま、それは僕だけの都合だし。
みんなには言わないけど。

と、思ったら。

「ここならユノヒョンの現場にも近いしな」

キュヒョンにさらっと言い当てられてビックリした。
そしてビックリしてる俺にキュヒョンが笑う。

「いや、今朝ドンヘヒョンから聞いてたからさ。昨日ユノヒョンと一緒に飲んでたらしくて、ユノヒョンがこの近くのスタジオで撮影するって言ってたって」

昨日はドンヘヒョンとね。
僕は知らなくてキュヒョンは知ってるわけだ。

…わかってるけど。僕のせいだし。
ユノは僕が出て行ったのは、自分のせいだと思ってるから。

ユノといるのが辛くなったのは確かだけど。
それはユノを嫌いになったからじゃなくて僕自身の問題なんだって何度も言ったのに。

ユノは何も言わないけど、自分を責めてるのは一緒にいればわかる。
今じゃ僕に遠慮して、自分から連絡を取ったり誘ったりは滅多にしなくなった。

離れている時は特に。

そうだよな、逆の立場なら僕もそうなる。
それどころか、ユノだからこそ僕はユノの隣にいるまま、自由にさせてもらえてるんだ。

だから僕が誤解を解かなきゃいけない。
信じてもらわなきゃいけない。

わかってるのに僕は…。




「チャーンミンっ!」

大声で呼ばれて肩をバシンと叩かれた。

「いたっ!」
「どうせまたユノヒョンのこと考えてんだろ?」

キュヒョンに言われて

「…うん」

僕は素直に認めた。
キュヒョンは親友だから、何でも話してある。
だからユノに言えてないいろんなこともわかってくれてる。

「相変わらずブラコンだな」
「いいんだよブラコンで」
「誰も悪いって言ってないだろ?」

僕たちのそんなやりとりを、キュヒョンの横にいる後輩が聞いていた。
興味津々って顔だ。

まだあどけなさが残る顔立ち。デビューしたての僕くらいか?

「チャンミン、実はこいつ、カシオペアだったらしいんだ」

そう言って後輩の肩に手を置いた。

「え?そうなの?」

どうりで身を乗り出して僕を見てるわけだ。

そんな彼に、僕は言った。

「君はユノのファンだろ?」
「は、はい。なんでわかったんですか?」

この世の女顔は、全員ユノペンだと僕は思ってる。そしてこの子は間違いなく女顔だ。
仕草も雰囲気も、ホントの女の子よりよっぽど可愛い。

テミンにカラム、ソンミニヒョンにヒチョルヒョン。
そして、今はいないあの人。
女顔は必ずユノにくっつきたがる。

これはもう鉄板と言っていい。
ユノの男らしさがそうさせるんだろうけど。

「あの…まだ僕、ユノさんとお会いしたことないんです。どんな方ですか?」
「君の知ってる通りだよ。カッコよくてダンスが上手い神様みたいな人。そして、僕の相棒」

最後の言葉に、室内が静かになった。
言いたいことはわかるな?

ユノに無駄に絡むな。OK?

「チ、チャンミーンっ」

なぜかキュヒョンが慌てた。声が上ずっている。

「おまえ目が笑ってないぞぉ。ビーム出すなよ頼むから」

出すなと言われても、そんなモン最初から出ないんだけど。
キュヒョンが続けた。

「で、おまえはこれからどうすんの?さっきからちっとも食べてないけど、わざとだろ?」

…相変わらずツッコミが鋭い。

実はそろそろユノの撮影が終わる時間だったりする。
ユノについてるマネヒョンに確認したから確かだ。
だからユノのいるスタジオの近くの店を選んだ。

なのに僕はまだ、ユノと連絡を取っていない。
もしかしたら予定が早まって、もう終わって引き上げたかもしれない。

煮え切らない僕を察したのか、キュヒョンが言った。

「ドンヘヒョンが言ってたよ。ユノヒョンはチャンミンのことばっか話してたって。チャンミンは努力家だ、ダンスが上手くなった、チャンミンは頭がいい。チャンミンがいなかったら自分はここまでやってこれなかったって」
「…」
「本人に言ったら?ってドンヘヒョンが言ったら、照れくさいって。可愛いね、ユノヒョン」
「あーっ、もうっ!」

限界だ。
何にって、素直じゃない自分に。

こういう時、どうするべきか本当は知ってるんだ。

僕は尻のポケットからスマホを取り出し、ユノにかけた。

「もしもし、ユノ?まだ仕事?…ご飯食べたのかなと思って…今飲んでるけど、まだ食べてないから…ユノと食べようと思って我慢してるんだけど。あーお腹すいたなーマジ腹減った、もう死ぬ…いや、いいよ。僕も出るから下で待ってて」

これでよし。
よかった。もう少し遅かったら手遅れだった。

「もうちょい素直に誘えないのか?」

呆れたように横で聞いてたキュヒョンが言った。

「いいんだこれで」
「結局チャンミンが駄々こねただけじゃん」
「だからそれでいいんだって。じゃないとユノは遠慮して絶対首を縦に振らないから」
「なるほどねー、さすがチャンミン」

当たり前だ。何年ユノといると思ってるんだ。
ユノのことならユノ自身より僕の方がわかってる。

さて、と立ち上がった時。

僕とキュヒョンのやり取りを聞いたのか、女顔の後輩がこともあろうにこう言った。

「ユノヒョンが来るんですか?」

誰が呼ぶかっ!
軽く睨み付けたら

「ひっ!」

恐怖に顔をひきつらせ固まった。
邪魔だ、そこで石になってろ。

「行ってくる。悪いなキュヒョナ」
「いいよ、今度おごって」
「OK」

ようやくスッキリして、僕は軽い足取りで店を出た。


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