スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
本家「東方神起~Red Ocean of eternity~

おまえのいいところ 2 【完】

ここでのお話はアタシの作ったフィクションです。
実際のエピソードをヒントにしたものもありますが
あくまでアタシの中にいるユノとチャンミンのお話です。






SIDE:YUNHO


「ユノ、足は大丈夫?」
「大丈夫だって」
「お願いだから無理しないで」
「しないって。心配性だなチャンミンは」
「焦らなくていいから」
「…うん。わかってる」

俺が足を怪我してから、チャンミンはずっとそばについててくれた。

こんな時俺は、ほんとチャンミンがいてくれてよかったと思うんだ。

どうしておまえはいつも、俺を褒めてくれるのかな。

おまえが信じてくれなきゃ、俺は東方神起でいられなかった。
俺一人じゃできないことなんて、いくらでもあるんだよ、チャンミン。





チャンミンに言われたのに、案の定俺は焦っていた。

「ちょっとストップしてくださーい」

座り込んだ俺を見て、スタッフがダンサーさんたちの動きを止めた。

「ユノ、痛むの?」

チャンミンが俺の横に屈みこんで聞いてくる。

「………」
「ユノ、取りあえず休憩しよう」

チャンミンが俺の腕を持ち上げたから、俺は黙って肩を借りた。



「ユノ、大丈夫だから」
「時間がないんだよ」
「そんなことはわかってる。でも足は焦っても治らないでしょ?」
「だからって何度も中断してたらみんなの士気が下がるだろ?!」

チャンミンに八つ当たりしても仕方ないのはわかってる。
でも、こんなこと絶対他の人には言えない。

こっちに来るとき、俺は誓ったんだ。
去年のツアーよりもっと、スタッフと一緒になっていいステージにしようって。
俺は東方神起のリーダーで、それは年とか国とか関係ないって。

前回は自分の望むものがちゃんと見えてきた、本当にそう思えるツアーだったから。
だから今回は、それをもっと形にしたかったんだ。

なのにこれじゃ、何も言えないだろ?
申し訳ない気持ちばっかりで、謝る以外に何もできやしない。


悔しくて俯いたら、チャンミンがポンって俺の肩に手を置いた。


「それでも、東方神起のリーダーはユノだから」

珍しく優しい声で、俺の顔をのぞき込んでくる。

「前のツアーでも、ユノはしっかりみんなを引っ張ってたじゃない」

確かに俺は前回のツアーで、俺の中にある形をどんどんスタッフに伝えた。

でもそれは、伝えることを迷ってる俺の代わりにチャンミンが、かっこよくないと思います。って言葉にしてくれたからだ。

「あれはおまえが、最初に伝えてくれたからだろ?」
「違うでしょ?ユノが言葉を探してる間に僕が伝えちゃっただけで。ユノならもっと穏やかな言葉を選んだはずなのに、僕がわざとストレートに伝えた」
「でもきっとチャンミンの言葉が正解なんだ」
「だから僕が言った。ユノに言わせたくなかったから」

確かに俺は、躊躇ったんだ。
チャンミンみたいに日本語上手くないし。
ちゃんと伝えられる自信がなくて、言い淀んだ。

チャンミンはいつもフォローしてくれる。
俺がしゃべった後、相手に上手く伝わってないかも知れないと思ったら、きちんと伝わる言葉に変えてくれる。

今までどれだけ救われてきたか。

「ユノができないことや苦手なことは僕がやる。そんなの当たり前でしょ?」

それをおまえは、当たり前だと言うんだ。
一度も文句などいわず、ずっとチャンミンはそうしてくれた。

「…チャンミーン」

なんか嬉しくてありがたくてチャンミンにもたれかかったら

「あー、くっつくな。暑苦しい」

いいながらも押しのけはしなかった。

「やっぱり俺、チャンミンいないとだめかも」
「はいはい、ありがとうございます。取り合えずユノが足怪我してるより、ユノのテンションが低い方が士気が下がるから」
「そうなのか?」
「普段騒々しい人が大人しいと心配になるでしょ?」

騒々しいってどういうことだよ。

不満を口にしようとしたら、チャンミンの手が俺の肩を掴んで、ぎゅっと抱き寄せた。

「普段通りでいこうよ。大丈夫。ユノの足は治る」

そう言って頭をコツン、として。

なんかもうそれだけで、足が治ったみたいな気になるから不思議だ。

「うん。いつも通り。…うん」

呟いて自分に言い聞かせたら。
わだかまってたものが吹っ切れたから、俺は決意新たにみんなの元へ戻った。





そこからはもう、文字通り全力疾走だった。
遠慮なんかしてられない。
時間がないんだ。

「ちゃんと聞いて下さい!いいですか?!」

ダンサーさんたちを大声でで呼び寄せる。
言葉なんか選んでる暇があったら、一つでも多くを伝えたい。

俺がやりたいことを、SAMさんに必死で伝える。
ほんの些細なことでも、何度も何度もやり直して、その度に調整を繰り返して。

回りくどくても、納得いくまで繰り返す。
それでも誰一人文句言わずに、真剣についてきてくれるから。

いろんな思いが言葉以上に伝わってる。

それを俺は心と体で実感した。

あぁ、最初からこうすればよかったんだ。
ずいぶん回り道したけど、気付けてよかった。

ホントありがとう。
ありがとな、チャンミン。


なのに俺は、その陰でどんなにチャンミンが葛藤していたか、気付いてやることができなかったんだ。





その日、チャンミンはひどく疲れた顔をしてた。

「チャンミン、調子悪いのか?」

食事が終わって、ホテルのロビーで声をかけたら、チャンミンは首を横に振った。

「なんでもない。ちょっと疲れただけ」

そう言ってスタスタと歩き始めた。

一緒にエレベータに乗っても、チャンミンは無言のままで。
疲れが出たのかな、とも思ったんだけど。

でもたまには俺だって勘が働くこともある。


今日はどんなに鬱陶しがられてもチャンミンのそばにいなきゃいけない。



そして俺はやっぱり鬱陶しがられた。

「だから何でもないから自分の部屋に戻ってよ」

イライラしながらチャンミンは、ソファーに陣取った俺を見下ろして唸った。

「だめだ。今日はチャンミンと一緒にいなきゃいけないって俺の勘が働いたんだ」
「よくそんなモン信じる気になりますね」
「どういう意味だよっ」

俺の勘があてにならないっていうのか?!
いや確かに、あてになるとは思えないけど。

「もー!マジで!今日は一人にしてよ!明日はちゃんとするから!」

怒鳴っても怖くないぞ。
俺はチャンミンと一緒にいるって決めたんだ。

「聞いてるの?!誰だって一人になりたい時があるでしょ?!」
「あるよ。でも今日はだめだ。明日にしろ」
「今一人になりたいの!」

チャンミンの声が高すぎて、耳の奥で鼓膜がキンキンした。

「耳痛いってチャンミン」

俺が指で耳をほじったら、チャンミンは観念したのか俺の横にドカっと座って仰け反った。

「あー!もお!」

両手で顔を被って、しばらくチャンミンはそうしてた。
だから俺は、何も言わずにそんなチャンミンの隣で、黙って言葉を待った。



「僕たちは多分、余計なものまで背負ってると思うんだ」


切り出した言葉は、まるで適当に開いたページから読み出したみたいに唐突で。


「他のグループなら「アイドルだってただの人間なんだ」とかゆって、ファンをがっかりさせる自分を許す。でも、そんな甘えが僕たちには許されない」


手で顔を被ったまま。
それでもその言葉は俺に向けられているから、俺はただ黙ってチャンミンの言葉の続きを待つ。


「正直言ってそれが辛かった時期もあった。それでも最近思うんだ。もっといい歌を聴かせたいって。だからユノにばかり任せてないで、僕だって自分でステージを作らなきゃって。


でもいざそう思っても、僕にはユノのようにみんなを引っ張っていくことができない


自分の言葉で伝えたいのに、ユノがいないと、一人じゃできないんだ」



自分勝手に突っ走る俺の影で、チャンミンがそんなことを考えてたなんて思いもしなかった。

だったら俺に文句を言って止めたってかまわないのに、チャンミンは絶対にそれをしない。

それどころか、そんな俺の背中を押して、そんな俺を褒めてくれてる。
そのせいで自分が辛い思いをしているのに、チャンミンは絶対俺を止めようとはしなかった。


「なんだよー、寂しかったのか?」


ごめんな、チャンミン。
俺、やっぱおまえが可愛くて仕方ないわ。

茶化すようにそう言ってチャンミンの肩に腕を回したら

「寂しいに決まってるでしょ。言っとくけど、ここ茶化すとこじゃなから」

ふて腐れたように言ったけど、その声に迫力はなかった。

「空気読めてない?」
「全く読めてない。ユノだから仕方ないけど」
「あはーはーはー」

落ち込んでても最強だ。

「何が腹立つって、ユノに言ったらちょっとスッキリした自分が腹立つ」

本当にちょっと楽になったんだろう、チャンミンの声のトーンがいつもの穏やかさに戻った。

落ち着いたのを感じて、俺はチャンミンの肩に回してた腕を解いた。
その手でチャンミンの手を握って、気持ちが伝わるように少しだけ力を込めた。

「なぁチャンミン。チャンミンはファンのもので、家族や友達や周りのみんなのものでもあるんだけど、東方神起のチャンミンは、全部俺のモンだから」
「なにそれ」
「東方神起は俺とおまえだろ?だから東方神起のチャンミンは俺でもある。その代わり、東方神起の俺は全部おまえにやるよ」
「舞台王ユノユノを?」
「なんだそれ」
「それは光栄だなー」
「棒読みやめろ。ここ茶化すとこじゃないから」
「空気読めてない?」
「全く読めてない。チャンミンのくせに」
「あはーはーはー」
「似てない」

そうやって俺たちは、久しぶりに心から笑った。

そしてチャンミンは言ったんだ。


「僕が自分でなんとかするから。ユノは黙って見てて」
「おー。頑張れ」

だから俺は、チャンミンを信じるって決めたんだ。





次の日。

ステージでリハの最中に、


「今のアイデアは僕が出しました」

チャンミンが、SAMさんに切り出した。

「ユノだけがステージのことを考えてるんじゃないですよっ!」

食らいつくように声を上げて訴える。
東方神起だとかそんなこと関係ない、それは本当に必死な、本当のチャンミンの姿だと俺は思った。

カッコ悪い?
そんなわけない。

プライドを捨てて必死な姿を曝け出せるって、そんなカッコ悪いことをできるチャンミンはかっこいいに決まってる。

「お願いします」

言うだけ言って、チャンミンは言葉を切った。

SAMさんが困ってるのが、なんだかおかしかった。
いいぞチャンミン、それでいいんだ。

かっこいいな、おまえ。

やっぱり俺、おまえを誰にも渡したくないよ。






それから俺たちは、本当にもてるだけのものをあらいざらい出し合って初日を迎えた。


今までを超えるステージは、今までを超えるくらいキツくて。
でも不思議とステージに上がったら、足の痛みなんか忘れるくらい全力になれた。

ずっと待っててくれたファンの声援に包まれて、やっぱり俺はステージが好きなんだと思えたんだ。

衣装変えのためいったんステージをはけたら、その途端気が遠くなった。
それでもわずかな時間で着替えて、次の曲までに戻らなくちゃいけない。

体が休まる暇なんてなくて、乱れた呼吸を整えるだけで精一杯だった。


スタッフたちの声が、なんだか遠くに聞こえる。

途切れる寸前の意識の中で、俺は少し離れたとこにあるチャンミンの気配に呼びかけた。


「ユノ、大丈夫か?」
「…ハァ…ハァ」


なぁ、チャンミン。

俺たちはおまえの言うように、余計なものまで背負ってるのかもしれない。

でもさ、捨てたくないんだよ。


「ほらユノ、酸素っ!」
「ハァ…ハァ…」


余計でもなんでも。
それが俺たちに向けられた思いなら。

そいつごと背負って、俺は走りたいんだ。


「風当てろ!体温下げろ!」


無茶なことでもさ、やり遂げることより、やり遂げようと努力することが大事なんじゃないかなって。
そうやってればさ、何かが伝わると思うんだ。


「ユノさんの衣装お願いしますっ!」


俺みたいなやつといるの、大変だろ?
でもさ、俺、チャンミンだからだと思うんだ。

チャンミンだから、こんな俺の隣にいてくれるんだと思うんだよ。


「暗転します!スタンバイ!」


辛いか?チャンミン。
でも、みんなが俺たちを待ってる。


「いけるか?ユノ」
「…はいっ」


ほら、頑張れって。
みんなが背中押してくれる。


「リフトセッティングOK!」


だからさ、一緒に走ろう。


「3! 2! 1!」


───まだまだ続く、夢の途中を。


【完】

関連記事
本家「東方神起~Red Ocean of eternity~
Next |  Back

なぉ♬

タケルwith仲間たちのおかげで2人目線ですね〜(笑)

突っ込みというか

ん?となったのでお尋ねですが

最後の方の鍵カッコの中の名前はユノ?

チャンミンとユノが声かけてるのかな?と思ったのですが

こまかっ(笑)

あんな風に2人は絆が深まっていくんですね〜



生が見たいと思い始めてます
ヤバイヤバイ💦

2014/10/31(金) 07:13:20 |URL | [ 編集]

りこねぇ

なぉさん

読んでくれてありがとうございました(//∇//)

あのセリフは、ステージに送り出すスタッフとユノの会話のつもりだったんです^^;

小説書くの慣れてないんでまだまだですねw
精進します(*`・ω・)ゞ

2014/10/31(金) 10:37:18 |URL | [ 編集]

なぉ♬

そうだったんですね〜

そう言われて読み返しなるほどでした

文章って人柄がでますよね。

りこねぇさんの文大好きですよ
つぃ読み込んでしまっております

ねぇさん に違和感
何故なら
多分、いやきっと、いやいや絶対私の方がねぇさんだ(ーー;)

あはははー

ユノ笑いで

ぜひぜひ次の作品を〜

楽しみにしてます❤️

小説とは関係無いですが、りこねぇさんのオススメにとうとう手をつけました(ーー;)ヤバイヤバすぎです

ちょーかっこいい



今日なんか仕事中にSUMMERDREAM
歌っちゃってたんですけど


助けてーーー でしたよ

めちゃイケのコントみたいなやつ5人の時のですけどあのダンスのユノさんが
性格出ていて好きなんですが
あんなコントなのに綺麗に踊り最後のポーズキメ

おかむらさんとの差が

ユノさん美し過ぎ手足が長いんですもん
ただでさえ長いのに余計に長く見える(笑)
因みに頭に流れてる歌は2人のなんですけどねー
って、関係無い話しでしめました

2014/10/31(金) 18:26:28 |URL | [ 編集]

-

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2014/11/02(日) 20:23:52 | | [ 編集]

りこねぇ

なぉ♬さん

呼び方はご自由にどうぞww
でもアタシ全然お若くないですよ?

オススメはくさるほどあるんですがキリがないです。

ユノはほんと、どんな時でも手を抜かないですよね。
バラエティ番組、ダンスもゲームも全力で性格がホントよく出てます。

ユノの手足の長さ、踊るとほんと綺麗です(〃▽〃)

2014/11/27(木) 21:59:28 |URL | [ 編集]

りこねぇ

鍵コメ 〇〇〇さん(ひらがな3文字)

自分のためにじゃなく、誰かのために生きてる姿ってかっこいいですよね。
タケルの言葉は、男としてストレートに「かっこいい」と感じたからこそのセリフかと。

本家も、小説も、アタシにとってはアタシなりの応援なので、アタシの書くものでさらに東方神起にホレていただけるのはとても嬉しいですww

今の東方神起を作り上げた二人を、これからもアタシなりの方法で絶賛していきたいと思ってます。

>ここのところは、りこねぇさん、すごく表現を考えてるんじゃないですか?

そうです、アタシもユノとチャンミンを応援するからには「ブレない二人」をちゃんと書きたいと心がけているのはあります。
なのでアタシの書くこともブレちゃいけないなと。

いろんなことを感じていただけて嬉しいです。
ありがとうございます(〃▽〃)

2014/11/27(木) 22:21:12 |URL | [ 編集]

コメントの投稿












 管理者にだけ表示を許可
 | ホーム |  page top


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。