第1章 1

このお話はフィクションです。
5人時代も好きですが、批判的に取られる可能性もあります。
それでも読んでいただける方のみ、下記へお進みください。








SIDE:CHANGMIN


ずっと一緒に、笑っていられると。
それがみんなの願いだと。

同じ思いだと。

僕はあの日まで、疑いもしなかったんだ。



デビューしてすぐにスターと呼ばれるようになって。
なのに一からやり直して地道に活動した海外生活は、思いのほか僕たちの心に、トラウマとなって刻み込まれていた。

日本で活動を始めた頃は、小さな舞台にしか立てないただの新人。
僕たちを知ってる人なんていなくて、言葉も通じなくて。
それでも韓国のアイドルとしてではなく、日本の歌手として認められるのが目的だったから。
韓国人として生まれ育ったはずの僕たちは、日本人にならなきゃいけなかった。

さすがに心が折れそうだった。
いや、本当は折れてたけど、後戻りができなかっただけというのが真実だ。

だって韓国に帰れば僕たちはスターなのに。
それを捨ててまで無名からやり直すことに心がついていけなくて。
メンバーはみんな落ち込んで、かなり情緒が不安定になっていた。

そんな中、ユノヒョンだけは違っていた。
自分も同じ立場のはずなのに。

たいして年なんか違わないのに。

リーダーっていうだけで、あれだけ強くいられるものかと思う。
温もりを伝えるように抱き締めて、触れて。
だからみんな、我先にとユノヒョンの腕の中に飛び込んで独占しようとした。

でも僕は、なかなかそれができなかった。
ヒョンたちに譲っていたのもある。
でも結局はただ素直になれなかっただけ。

ここではマンネだけど、僕は本来長男だから。
だから甘え方なんか知らない。

そんな僕にもユノヒョンは、時々寄り添って抱き締めてくれる。
それが本当は嬉しくて、救われてきたのは事実だ。

でも僕は、みんなと同じになるのは嫌だった。
自分の弱さなんて認めたくなかった。

だってそんなことしたら、逃げ出したくなるような気がしたんだ。



海外で成果を上げて、凱旋帰国。
でも実際は海外の活動が長すぎて、僕たちの居場所なんてないんじゃないかって不安だった。

だからただ帰るだけじゃなく、2年ぶりのカムバックのために成長した姿で戻ろうと、僕たちは体を絞って鍛え上げた。

僕的にはその頃からだったと思う。

縁の下の力持ちと言われ、多分本人は何も変わってなどいなかったはずなのに、もう縁の下なんかじゃ収まらないほど、ユノヒョンはかっこよかった。



「ほらっ!見て!この人なんてウットリした顔してるよ?やっぱ誰が見てもカッコいいんだって!」

この間出演した番組の録画を見ながら、僕はつい興奮して言った。
だってユノヒョンが踊ると、本当にその場にいる全員が溜息を漏らしてウットリするんだ。
僕はそれを見るのが好きで、何回も巻き戻す。

「チャンミンの方がウットリした顔してんじゃん」

メンバーに言われて画面を見ると、身を乗り出してユノヒョンを見る僕が映っていた。
しかも満面の笑み。

「ホントだ」

こういう場面では、なぜか僕がカメラに抜かれることが多い。
そりゃそうだ。
誰が見ても僕の様子は、ユノペン以上にユノペンらしい。

「チャンミン、ホントにユノ見てる時はお目目キラキラだよな」
「それは仕方ない。カッコいいもんはカッコいい」

不安を抱えて迎えたカムバックは、結局大成功を収めた。
再び返り咲くことができたのは、日本での成功かあったからだ。
苦労は無駄にならなかった。

「ホント、ユノはカッコよくなった。なんか時々、取り残された気分になるくらいだよ」

そんなメンバーの呟きを聞いて、僕にはない感覚だなと思った。
だって僕には最初から、ステージに立つユノヒョンは遠い存在だったから。

ただただ、憧れていた。

同じメンバーだから、いつもユノヒョンのダンスを近くで見られる。
それをラッキーだと思うくらい、僕はユノヒョンのファンだった。



僕たちは上手くいっていた。
マンネという立場にも慣れて、メンバーも一生いられると思うほど好きだったし、信頼していた。

ユノヒョンを中心に、家族としての絆は確かにそこにあった。

東方神起を大切に思う気持ちも、ずっと一緒にいたいという気持ちも。
みんなおんなじだったし、そこに嘘はなかった。

でも、この時は誰も気がついてなかったんだ。
大切なものを守る本当の理由が、根本的に違っていたことに。



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